【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
「そう」


さっきオフィスで見た彼女の不安そうな顔を思い出した。それが原因だろうか。


「紬は彼のこと、好きなの?」
「あ、うん」
「彼、雅さんだっけ。彼は紬のこと好きなの? 上司だから彼は前から紬のこと見ていたのかもしれないけど、婚約ってあまりにも急過ぎないか? まさか紬も妊娠……」
「そ、それはないけど」


紬さんは私のこと、好きなんだろうか。私、雅さんに好きって言われたことあっただろうか。この1週間を思い出してみるけど記憶にない。散々キスはしてきたけど、あのキスに嘘はないと思ってたけど、私の思い込みだったりして……。

私もモスコミュールのグラスを空けて、キールを追加した。





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