【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
§焦らされ週末は甘く酸っぱく
土曜日、朝。昨日の雨雲はどこへやら、カーテンを開けると元気な太陽が顔をのぞかせた。そんな爽やかな朝と反対に私の頭は二日酔いで重たい。
もちろん、橘さんとはなにもなく飲んだ後は別々のタクシーで帰宅した。でも雅さんからは何の連絡もなかった。電話もメールも、本人が「ハニー」と囁きながらやってくることもなかった。
ちょっぴりさみしい。この数日で私の体も心も雅さん漬けだ。週末、なにをして過ごそう。
プルルルル。私のスマホが電子音を鳴らした。
もしかして……。
「おっはようございまーすっ! 三國不動産ホールディングス三國不動産本社人事部秘書課の唐澤があなたのためにモーニングコールいたしましたーっ!」
私は思わずスマホを耳から遠ざけた。二日酔いの脳に痛く響くハイテンションな声。唐澤さんだった。
「……おはようございます」
「どーされましたかっ! お元気ないようですがっ!」
あなたみたいに毎日毎時間金太郎飴みたいに同じテンションではいられないの、と言いたいのをこらえて私は昨夜飲み過ぎてと返事をした。
なんだろう、今日は休日なのに。秘書に土日も夜もないんだろうか。大変だなと思いつつ、ちょっと心がはねた。だって唐澤さんが電話してきたってことは雅さんと会えると期待したから。
「で、なんのモーニングコールなの?」
「木曜日、キャンセルになってしまったドレスの採寸です!」
もちろん、橘さんとはなにもなく飲んだ後は別々のタクシーで帰宅した。でも雅さんからは何の連絡もなかった。電話もメールも、本人が「ハニー」と囁きながらやってくることもなかった。
ちょっぴりさみしい。この数日で私の体も心も雅さん漬けだ。週末、なにをして過ごそう。
プルルルル。私のスマホが電子音を鳴らした。
もしかして……。
「おっはようございまーすっ! 三國不動産ホールディングス三國不動産本社人事部秘書課の唐澤があなたのためにモーニングコールいたしましたーっ!」
私は思わずスマホを耳から遠ざけた。二日酔いの脳に痛く響くハイテンションな声。唐澤さんだった。
「……おはようございます」
「どーされましたかっ! お元気ないようですがっ!」
あなたみたいに毎日毎時間金太郎飴みたいに同じテンションではいられないの、と言いたいのをこらえて私は昨夜飲み過ぎてと返事をした。
なんだろう、今日は休日なのに。秘書に土日も夜もないんだろうか。大変だなと思いつつ、ちょっと心がはねた。だって唐澤さんが電話してきたってことは雅さんと会えると期待したから。
「で、なんのモーニングコールなの?」
「木曜日、キャンセルになってしまったドレスの採寸です!」