チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
「・・・ただいま」
「な・・何言ってんのよ。ヘンなの」
「そうだね。ホント・・“ただいま”とか、ヘンだよね。でも、なんか・・そう言いたかったんだ」
「そう」
「嫌じゃない?僕のこと」
「嫌なら嫌だと言うわよ。でもこれ以上のことはしないでね。少なくとも今夜は」
「分かってる。僕は時子さんをこうして抱きしめているだけで満足だから」

・・・時子さんはきっと、「りげんさん」とこういう風に寝たことなんてないだろうと考えると、僕は「りげんさん」より、少なくとも一歩分くらいは信頼されたことになるのか。
「りげんさん」と比べるなんてことは、してはいけないんだろうけど・・まるで長年連れ添った仲睦まじい夫婦のような会話と動作ができて、僕は嬉しい!

僕・・今ほど生きててよかったって思ったことはないよ。

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