チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
主な仕事は品物の陳列だ。
物によっては重たいものもあるので、力仕事とも言えるだろう。
メイク関連の品も売っているので、マニキュアとかつけ爪というような、小さくて細かい商品もある。それらをお客さんが「思わず手に取りたくなる(イコール欲しい!と思うということだと店長に教わった)ように」並べる工夫もしなければならないし、どこに何が置いてあるのか、ちゃんと覚えておかなきゃいけない。

せっかく仕事を紹介してもらったんだ。鶴見さんが僕を雇って良かったと思ってくれるためにも、僕は一生懸命働いた。
お客さんには僕がアルバイトか正社員かなんてことは関係ないのだから、「すいません。僕、バイトの身なんでよく分からないんです」とか「新人(入りたて)だから覚えてなくて。すみません、ちょっと他の人呼んで来るので待っててください」なんて応対をしてると、お客さんは「大の男が何をしてるんだ」と呆れて帰ってしまうだろう。
それだけならまだいいかもしれないが、もう二度とこんなところには来ないと思われたら、僕は即クビになること間違いない。

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