チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
人は大抵不安を抱きながら、病院へやって来る。
「こんなところ本当は来たくない。だけどこんなに痛いんだから私はどこか悪くしてるはずじゃ・・」という想いを持っているからだ。
そんな患者さんの不安を取り除きながら、僕は一人一人の患者さんのことを決しておろそかにはせず、真摯に、そして丁寧に向き合ってきた。一時的にせよ、そのとき僕は、患者さんの命を預かっているんだ。当然のことだろ?
その結果、なぜかおじいさん、おばあさんの世代の人たちには人気があったっけ・・・。
だからドラッグストアの販売員という接客業に「未経験転職」をしても、それほど違和感や場違いじゃないかといった想いは抱かなかった。
病院が店に変わったと思えばいい。
それにドラッグストアには、文字通り薬も売っている。病院にも「薬局」はあったから・・僕は薬剤師じゃなかったけど、それでも馴染み感はある。

< 123 / 163 >

この作品をシェア

pagetop