チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
「もちろんいいに決まってるでしょ。スマホくらい買いなさいよ」
「あ・・うん!ありがと、時子さん」
「だからそんな風に嬉しがられても・・・私たち、ホントは夫婦じゃないのに・・あ。ちょっと。今私を見て笑ったでしょ」
「え!いやいや、そんなことないっていうか、そんなんじゃないから!」

自分の顔の前で両手を左右にふって全力否定をしながら、僕は胸がじぃんと熱くなるのを感じていた。

こんなやりとりから幸せを感じるのは・・・相手が時子さんだから。そうだ。絶対にそうだ!
時子さん。僕たち、ホントは夫婦じゃないけど、一緒に暮らしていくうちに、仲良くなっていってるよね?
それに、さっき「私たち、ホントは夫婦じゃないのに」と時子さんが言ったとき、「うーん、まんざらでもないかも」っていうような表情を浮かべてただろ?
って、そんなことを僕が言ったら、また時子さんは「ヘンなの!」って言い返すと思うけど・・それを想像して、僕は思わずニコッと微笑んだつもりだったんだ。
そんな時子さんの顔もすごくカワイくて。あぁ、こんなにステキな奥さんがそばにいて、僕はなんて幸せ者なんだ!と叫びたくなるくらい、僕はあなたに惹かれてる。
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