チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
スーパーの特売品はもちろんチェック。タイムサービスを狙って“突撃”することは至って普通。八百屋で「これも買うからちょっと安くしてください」なんて頼むのは、以前の僕だったら恥ずかしくてできない・・ていうか、やろうともしなかった。
いや、それ以前に僕は野菜や肉といったものを買いに行くという習慣もなかったからな・・・。
それなのに、「りげんさん」の肉体をもらって、新たに生き直している僕は、そういうことを臆面もなくやっている。
全ては時子さんと僕の生活のためだと思えば、恥ずかしがってる場合じゃない!
それに少しくらい図々しく頼んでみても、恥ずかしさで死ぬことはない。これは一度死を経験した僕だからこそ真実味を持って言えることであり、分かることだ。
逞しい「りげんさん」の肉体で生き直してるせいか、今の僕には、過剰な遠慮や犠牲心がなくなった代わりに、図太く生き抜く力がメキメキと成長してるような気がする。
これも誰か・・愛する人を僕が養うんだという意識が芽生えた証拠か?

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