チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
「その万引き被害損失額っていうのは宣伝費だと割り切ってるんだって。僕、病院しか勤めたことがないし、医者は販売という仕事とはちょっと違うからさ、イマイチ理解できないんだけど」
「病院の場合は、水増し請求して儲けてるんじゃないの?」
「えっ!?そ、そ・・かな。少なくともうち――って、岡崎医院のことだけど――は、そんなことしてないと思う」
「あら。あなた言いきったわね。その根拠は?」
「えっと・・うちは資産家で、生活には困らないくらいの金や資産はもう十分あるから。そこで悪どく金儲けまでして病院経営しなくてもいいんだ」
「ふーん。そう・・・どうしたの」
「あぁいや、その・・・もし、以前の僕が貯めてた金や運用していた資産を今の僕が使えたら、時子さんと環の学費や、僕たちの生活費に充てることができるのになと、ふと思って」
「あぁ。そういうことね」
「ねえ時子さん。僕・・」
「いいわよ」
「え!なんで即答?」

時子さんを背後から抱いている僕の腕がビクンとして、緩んだ。
すると、時子さんは僕の方へ向きを変えた。

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