チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
そこは同じ形の建物(棟)がたくさん並んでいる、いわゆる団地だった。
でも、「りげんさん」はどうやらこの棟の、この階のどこかに住んでいるらしい。
あの運転手さんがここにタクシーを停めたのは、それが理由に違いないから。

この界隈に、ラブホが一軒しかないことや、あの運転手さんが送ってくれたことは、ある意味ラッキーだった。
・・・もしかしたら、運転手さんは、「りげんさん」が乗客だと分かっていて、わざわざ・・いや、わざと運転担当を買って出たのかもしれない。
「妹を泣かせるな」と「りげんさん」に一言物申したくて。
まぁでもそのおかげで、「りげんさん」がどこに住んでいるか分かったんだ。やっぱりラッキーだったんだよな。

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