チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
本当は奥さんに近づいて、手を握るとか、抱きしめるとか、とにかく触れたかった。
僕の想いや誠意を、もっとダイレクトに伝えるために。
でも僕は、奥さんに近づこうとして・・やめた。
少なくとも奥さんは、現時点で「僕」に触れられたいとは思っていないはずだから。
好きな人が嫌がってることはしたくない。
さっきから怒られっぱなしの僕だけど、心の中は優しい気持ちで満たされていた。

「・・分かった」と呟いた奥さんに、僕は頭を下げながら「ありがとう」と言った。
ありがとう奥さん。生まれ変わった僕に、生きる目的を与えてくれて。

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