チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
「じゃあ布団敷いてあげるよ」
「いいわよ。そんなことしなくても、あんたと今すぐ離婚なんかしないから」
「あ・・・そっか」

それより奥さんは、僕に布団すら触ってほしくないのかもしれないと察した僕は、早々にここから寝室へ引っこむことにした。
と、その前に・・。

「あの」
「何」
「たまきは、無事着いたのかな」
「あぁ、うん。昼前には着いたわよ」
「そっか」と言いながら、何度か頷く笑顔の「僕」に、奥さんは怪訝な目を向けた。

「気になるなら見送りくらい来れば良かったのに」
「ホント、そうだね。でも・・嫌がると思ってさ」

咄嗟に僕の口から出た「言い訳」だったのに、奥さんから「あぁ、確かにそうかもね」と暗に肯定されて、ちょっとガックリ来てしまった。
・・・やっぱり「りげんさん」は、子どもにも嫌われてたのか・・・。
そして「たまき」が息子か娘か、いまだに分からないし・・・。
まあいい。それは調べればすぐに分かることだ。

気を取り直した僕は、奥さんに「おやすみ」と言うと、さっき奥さんが指さした部屋に、スタスタ歩いて行った。

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