チェンジ！ ～僕に恋して君を愛する～

『“りげん”の魂は、肉体を提供するにあたって、あなたに一言伝えておきたいことがあると言うので、今回、一時的にこの世界に呼び戻しました。但し、今回一度しか機会はありません。さあどうぞ、伝えてください』
『ああ。あのよ。女房と息子に“今まですまなかった”と伝えておいてくれや』
『あ・・・り、りげんさん。あの・・いいんですか？本当に。僕と入れ替わってくれて。それはつまり、あなたが死ぬことになるんですよ』
『そりゃあいいんだ。俺は生きていても迷惑かけるだけの存在だったからよ。何をやっても上手くいかねえ。長年、町のみんなから厄介者扱いされてたからな。女房と子どもだけが、そんな俺に手を差し伸べてくれたが、やつらも俺のことを嫌ってたことに変わりねえ。生きていても、もう・・つまらないんだ。それ以上に恥ずかしいんだ。俺は生きることを諦めてたんだよ。俺はこれ以上、生き恥を晒しながら生きたくない。かといって、やり直しがきくような生き方も、俺にはできねえ。だから、そんな体でよけりゃあ、おまえさんが使ってくれや。あんたは生きたいんだろ？』