チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
炊き立ての白いご飯に、ネギとあげとほうれん草とこんにゃくといった、具がいっぱい入った味噌汁。
そしてかぶの浅漬けも、どうやら奥さんが自分で作ったものらしい。
至って簡素な和風の朝食だけど、僕は元々、ソースたっぷりでコッテリした洋食より、あっさりした和食(且つ胃が小さいので1食は小食)が好きだ。
なんてそんなこと、もちろん奥さんは知らないだろう。
僕は、フッと微笑みながら、一口一口を噛みしめて味わった。

「美味し・・な」

あれ?僕・・泣いてる。
・・・そうだよなぁ。だって僕は一度死んだんだ。
それよりも、本来なら僕は、約2ヶ月前に死んでるはずなんだ。

それが今、僕はこうして生きている。
それだけではなく、奥さんが作ってくれた朝ごはんを、食べることができている。
しかも、お世辞じゃなくて本当に美味しいと思う・・・。
なんて自分は幸せな男なんだ!

僕はひとしきり、おいおいと男泣きに泣いた。
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