チェンジ！　～僕に恋して君を愛する～
恐る恐る家を出た僕は、足音を立てずに階段を降りた。
通りの名が書かれた看板を見ながら歩いているうちに、どうやらここは「中之条」という地名であることが分かった。
やっぱりここは、東京じゃあない。東京都内に「中之条」という地名があるかどうかは知らないが、少なくとも僕は聞いたことないし、この場所だって、僕は今回初めて訪れたと断言できる。
ここは、僕が住んでいた（東京の）地域より、のどかな街並みをしているな。

お金の節約と運動を兼ねて、道行く人たちに聞きながら歩いて１時間は経っただろうか。
僕は、ゼイゼイ息を切らしながら、目的地の建物を見上げていた。

・・・中之条町役場。
ということは、やっぱりここは東京じゃない。
僕が住んでいた東京の地域だったら「町役場」じゃないはずだからな。
それにしても「りげんさん」、体力なさ過ぎ！
１時間くらい歩いただけで・・しかも競歩みたいな早足じゃなかったのに、すでにバテてるし。運動不足か？そうに違いない。
やっぱり「りげんさん」には運動が必要だ。

自分に言い聞かせながら、僕は役場に入っていった。

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