チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
僕が時子さんを幸せにする!
まさか「りげんさん」が左利きだったとは・・・!
気づかなかったぁ!大体、日本人の大半は――僕も含めて――右利きじゃないのか!?
てかそんなの「りげんさん」から聞いてないよ!!

「りげんさん」と僕の「決定的な違い」を、時子さんにあっさり指摘された僕は、驚きのあまり、冗談ではなく、本当にゴホゴホむせてしまった。

「ちょっと、大丈夫?」
「ぁぁ・・ぅん。気管に、ごはんがつまった、だけ・・」
「ほら、これ飲んで」

時子さんからもらったお水を、僕はゴクゴク飲んだ。

口元を自分の腕で拭いながら、「・・あぁ・・ありがと。なんか、生き返った感じがする」と今の僕が言うと、妙にリアルだよな。
ついクスッと笑ってしまった僕を、時子さんが怪訝な顔でじっと見ていたことに気がついて、僕はすぐに、元々凛々しい「りげんさん」の顔を、キリッと引き締めた。

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