チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
「別に環をくん付けで呼ばなくてもいいわよ。あなた、見た目はそのまんまあの人なんだから、なんだか変な感じするし」
「そっか・・・。あの、時子さんは、僕が言ったことを信じてくれる?」
「今私の目の前にいるあなたを見て、信じられないなんて言えないわよ」
「僕の頭がおかしくなったと・・思わないのか?」
「それにしては出来過ぎてるっていうか、あなたが言ってることは、全部辻褄が合ってると思う。それに、あなたは“演技”してないでしょう」
「演技?」
「あの人の“フリ”って言ったらいいのかな」
「あー、なるほど・・そうしたくても、“りげんさん”のことは知らないも同然の人で。ぶっちゃけ、夢で会ったときに初めて会って話をしたから」
「そう。なんかヘンな感じね」
「ホントに」

僕たちは顔を見合わせた。
そして、ここは笑うしかないだろうとお互い思ったのか。
二人そろってお互いに微笑みかけた。
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