チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
「時子さん。あなたは真実を知った。そして僕があなたの旦那じゃないと――見かけはそのまんまだけど――分かった。つまり僕たちは、公的には結婚してるけど、本当は赤の他人だ。だから・・・だから、時子さんが離婚したいと言うなら、僕は従います。もちろん、昨日言ったように、僕はあなたと別れたくない、です、けど・・・僕は“りげんさん”じゃないから・・・僕が反対しても、本当はそれに効力なんかないから・・」
「あなた、私と別れてそれからどうする気?」
「え?どうするって・・・。まずは“りげんさん”のことを知って、それから、時子さんや環、のことを知る作業を進めながら、体力づくりを始めようかと・・。そして、仕事に就いて、僕も金を稼ごうと思ってたんだ。時子さんだけ働かせるなんて、旦那失格だと思って・・。今のところはこれくらいしか考えてないんだ。ごめん」

意外にも、時子さんは「いいんじゃない?それで」と言ってくれた。

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