チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
「僕が言うのも何だけどさ、そんなに嫌ならもっと早く離婚すれば良かったんじゃないのか?」
「そうよね。私はずっと別れたいと思ってた」

あぁ、確か・・僕たちが会った初めての夜、時子さんはそういうこと言ってたよな・・・。

「でも放っておけなかったんだ。もう絶対別れようと思った矢先にあの人、失業して。次の就職先もなかなか決まらなかったから、私が稼ぐお金が唯一の収入源だったし。ここで突き放すようなことはできなかったの。あの人に対しては、もう何も思わないし、どんな感情も抱かなくなったと思ってたんだけど・・長年一緒に暮らしてるうちに、同情心が芽生えちゃってたのかな。あぁでもね、これだけは分かる。私たちの間に“愛”なんてなかった。最初から最後まで」
「え?」

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