チェンジ！ ～僕に恋して君を愛する～

「最後まで」というのは分かる。何となくだが。
でも「最初から」愛なんてなかったのか？
だったら・・・。

「だったら何故、“りげんさん”と結婚したんだよ」
「一番の理由は、環を妊娠したから。だから・・環が生まれたことが、唯一の理由だと言えるかもしれない」
「な・・何？その理由」

よく分からない・・・。

「あの人と私は、愛情がベースとか、愛し合ってるからという理由で結婚したんじゃないの」
「あぁ・・・そぅ」

時子さんにそれだけ言われても、僕には分からなかった。
だが時子さんはそれ以上話そうとしなかった。きっともう話したくないんだろう。僕に、というより恐らく誰にも。
だから僕もそれ以上追求はしなかった。

「僕・・待つよ」
「え？何を？」
「時子さんが話してくれるのを。あっ！でも話したくなったらでいいから。そのときは僕が時子さんの話を聞く。だから時子さん、僕のことをもっと信じてくれ」