幼なじみが好きでしょうがない
【大雅Side】
「芽生ー!!楽しかったね〜!」
「うんうんっ」
莉々華と、芽生は、そんなこと言って、電車の中で騒いでる。
うるせえよ。
芽生との進展……あったよな。
絶対に。
抱きつかれた時はびっくりしたけど。
芽生、ほんっとにカナヅチだから。
笑えるくらい。
昔、海で溺れそうになってたあいつを助けたのも俺だ。
可愛かった。水着。
「大雅はー?」
爽太たちと、駅で離れて、俺の顔を覗き込むように聞いてくる。
煽ってるよな。こいつ。
「なにが」
「海!楽しかった?」
当たり前。
でも、こんな時素直に言えないのが俺で……
「楽しくなくもなかった。」