幼なじみが好きでしょうがない



「ほんとに……?」


大雅が?

私を?
ここに連れてきたの?


で……

「大雅は……!?」


会いたい。


「それが……。すぐに出ていっちゃって……。口止めされてたんだけどね。」



と、笑って言った。

それでも、りりは喋っちゃうの。


私もつられて、ふふ、と笑った。


すると

「笑った。」


りりがそう言った。


え?


「よかった。元に戻るんじゃないかと思った。」



私も思っちゃった。

でも、大雅が運んでくれたって聞いただけで、嬉しくて、大雅にすごく会いたくなった。


「はい。タオル。今日は、せっかくの入学式だけど、早退した方がいいわね。家でゆっくり休みなさい。」



保健の先生はタオルを渡しながら、そう言った。


そうだ。

クラスの人とかも、話したかったんだけど……。



帰った方がいいよね。



「はい、わかりました。」


大雅に会えるかな。


無理かな。


「親御さん、呼んだほうがいい?」



いや。

お母さんもお父さんも仕事だから。



「大丈夫です。」


1人で、帰れるから。大丈夫。


きっと。



「じゃあ、連絡だけ入れておくわね。」


そう言ってくれた。



優しい先生だなあ。


「私一緒に帰ろうか?」


りりは、そう言ってくれたけど……。



1人で帰れる……と思う。



「大丈夫。りりは、クラス行きなよ。」



< 12 / 200 >

この作品をシェア

pagetop