幼なじみが好きでしょうがない
しょんぼりとしながら、私は、オムライス用のニンジンや、玉ねぎを洗っていた。
「俺も手伝う。」
そう言って、大雅は、女の子用のエプロンをつけて、私の隣へ来た。
「ちょ、大雅、それ私のだよ?」
「お前、もう一個あるからいいじゃん。」
そうだけどさぁ……
違う意味で………………
「……っくっくくっ…………!!」
やばいよ、笑いとまんない!
「何笑ってんだよ。」
「べ、別にっ…………っ!」
「何すればいい?」
「玉ねぎ切って~みじんぎりね」
「そんくらいわかるわ、ボケ。」
ぼ、ボケ!?
そんな、悪態をつきながら、玉ねぎを切ろうと、包丁を出している。
なんか、大雅が包丁持つと、ほんとに殺されそうで怖いんだけど。
「殺してやろうか、お前。」
「へっ……!?」
「ばーか。冗談だよ。」
「ばか!!」
大雅が、玉ねぎを切ってくれてるので、私は、にんじんを切ってると、隣から 「ずずっずっ」という、鼻をすする音が聞こえる。
は?
と思って見てみると、
涙を流しながら、玉ねぎを切っている大雅だった。
「は、は……ははははっ……っ!」
「うるせえな、目が痛いんだよ。」
「それにしても面白すぎ!」
「その格好で泣くとか!」
可愛いエプロンなんてつけやがって……
「止まらねえんだよ。」
「っ……!はははっ!」
大雅は、「ホントうるせえ」と、呆れながら、切り続けていた。
「私、やりましょうか……?」
と、ウザさ100%で、上目遣いで可愛く言ってあげた。
「ぅ、う、うっせえな!こんくらいできるわ。」
ははっ。
面白すぎっ……。
「笑ったな。よかった。」
なんて、小声で聞こえたような気がした。
「ん?なーに?」
「なんどもねーよっ」