幼なじみが好きでしょうがない



しょんぼりとしながら、私は、オムライス用のニンジンや、玉ねぎを洗っていた。


「俺も手伝う。」

そう言って、大雅は、女の子用のエプロンをつけて、私の隣へ来た。


「ちょ、大雅、それ私のだよ?」

「お前、もう一個あるからいいじゃん。」




そうだけどさぁ……

違う意味で………………


「……っくっくくっ…………!!」

やばいよ、笑いとまんない!




「何笑ってんだよ。」

「べ、別にっ…………っ!」

「何すればいい?」

「玉ねぎ切って~みじんぎりね」

「そんくらいわかるわ、ボケ。」


ぼ、ボケ!?

そんな、悪態をつきながら、玉ねぎを切ろうと、包丁を出している。


なんか、大雅が包丁持つと、ほんとに殺されそうで怖いんだけど。


「殺してやろうか、お前。」

「へっ……!?」

「ばーか。冗談だよ。」

「ばか!!」



大雅が、玉ねぎを切ってくれてるので、私は、にんじんを切ってると、隣から 「ずずっずっ」という、鼻をすする音が聞こえる。


は?
と思って見てみると、


涙を流しながら、玉ねぎを切っている大雅だった。


「は、は……ははははっ……っ!」

「うるせえな、目が痛いんだよ。」

「それにしても面白すぎ!」

「その格好で泣くとか!」


可愛いエプロンなんてつけやがって……

「止まらねえんだよ。」

「っ……!はははっ!」

大雅は、「ホントうるせえ」と、呆れながら、切り続けていた。


「私、やりましょうか……?」

と、ウザさ100%で、上目遣いで可愛く言ってあげた。


「ぅ、う、うっせえな!こんくらいできるわ。」

ははっ。



面白すぎっ……。


「笑ったな。よかった。」

なんて、小声で聞こえたような気がした。



「ん?なーに?」


「なんどもねーよっ」



< 134 / 200 >

この作品をシェア

pagetop