幼なじみが好きでしょうがない
「私、お風呂入る~!」
「はぁ?俺が先に決まってんだろ?」
「なんでよっ!あたしも入りたいっ……!」
「じゃあ、一緒に入ろっか。」
は?
「ば、バカ!!」
「照れてんの~」
「う、うるさい!早く入ってこい!」
「あ、いいんだあ~、じゃ。」
あっ、馬鹿だ。私。
とほほほほほほ。
洗い物でもしよ。
その前に、ちょっと、電話しようかな。
柊真に…………。
会いたい。
聞きたい。
----- プルルルルルル。
---ガチャ。
『もしもし?』
「あ、柊真?今何して…『柊真ぁ?』
途中でまた、女の子の声が聞こえた。
なんなの……。
誰なの……。
『ごめん、今、塾で自習してるんだ。バレたらまずくて。じゃ。』
----ブチッ。 ---- ツーツーツー。
本当にそうなの?
自習してるの?
信じる。
あっ、洗い物しないと。
はぁ……なんで二人なのに、こんな洗い物多いの?
おかしいでしょ。
答えは、アイツ。
大雅が、お皿を使いまくるからだ。
はぁ…………。
色々な想いが重なって、落ち込んでため息をついた。
その瞬間。
ふわっと後から抱きしめられた。
「きゃっ……!」
「洗うの遅くね?」
そう、私を抱きしめたのは、大雅。
「ちょ、ちょっと電話してたからっ……」
って、なんで!?
なんで、上、服着てないの!?
髪も濡れてるし…!
なんか、エロ……!!!
バカ。
「こわぁーい」
なんて言って、大雅は私から離れた。
「な、なによっ」
「なんか、肉食のやつから、狙われてる気がしてぇ~」
「だ、誰よっ」
「お前しかいねえだろ。」
今まで、気持ちが悪い甲高い声で喋っていたくせに、急に私の耳元で、とても低い声でそう言った。
「ひゃっ……」
「相変わらず、耳弱いのな。」
そう、私、耳元で言われるの嫌いなんです。
って、そうじゃない!!!
「大雅のバカ!!」
と、言うと、面白そうに笑ってきた。