幼なじみが好きでしょうがない
「で……?」
ん?
「あいつ、なんか言ってたか?」
「あいつって…?」
「お前が付き合ってるやつだよ。」
「あっ…えっと…………」
私は、なんて言ったらいいのかわからなくて、言葉を詰まらせた。
「塾……らしい…………。」
「本当か?」
「わか…っ…ん、ないっ…」
涙が溢れてきた。
「ごめっ………ひゃっ…!」
いつの間にか、私は、大雅の腕の中にいた。
「ちょっ…とっ…!離してっ……!」
「いいから。」
「?」
「泣きたいんだろ。でも、俺に泣き顔見られたくないんだろ。」
「……っ!」
「泣けば。…泣けばいいじゃん。」
「…っ、ふっ…………ふぁぁっ…!」
私は、大雅に抱きしめられながら思いっきり泣いた。
まだ、本当のことを知ったわけじゃない。
でも、こわいよ……。
柊真……………。
大雅は、何も言わずに抱きしめててくれた。
「大丈夫か?」
「…う、うんっ……。」
すると、大雅は、私の頬を引っ張って
「泣きべそかいてんじゃねぇよ~」
「……!」
「ははは、うける。この顔。」
「もうっ…ははしてよ ( はなしてよ )…っ!」
「ほら。風呂入れよ。」
「うんっ」
「なんなら、脱がしてやろうか?」
「ばっ!!!」
「嘘だよ、ばーか。」
もうっ。
でも……大雅はやっぱり優しい。
やっぱり、私は大雅が好き。
でも、柊真がほかの女の子と一緒にいる…そんなの嫌。
そう思うのは、どうしてなんだろう。
私、勝手だよね…………。