幼なじみが好きでしょうがない
「あっつ~い……」
「当たり前でしょ、もうすぐ夏休み終わるし。」
そう、夏休みも、あと2週間。
宿題が全く終わってないのぉぉぉぉ!!
だから、今日は学校に来て、りりと一緒に宿題をやってるの。
りりも、終わってないっていうね…。
ははは。
「そう言えば、爽太くんと最近会ってるの?」
「えっ、どうして?」
どうしてって……なんとなくだよ。
「実は…喧嘩しちゃって。」
えっ!?
「何があったの……!?」
「実はさ……」
爽太くんの塾が忙しすぎて、会えてなかったらしい。
そして、りりがたまたま爽太くんの塾の近くにいた時に、見たらしい。
爽太くんと女の子が一緒に歩いてるとこを。
でも、爽太くんは、塾の帰りに一緒に駅まで行っただけって言ってたらしいけど、爽太くんとその女の子が笑って楽しそうに話してたみたい。
爽太くんもイケメンだもんね……そりゃモテるし…………
「それで私、怒っちゃって、爽くんの話聞かずに、『もう知らないっ!』なんて、言っちゃって……」
「そう、なんだ……」
「でも、悪いのは私なの。爽くんは、何も悪くない。私が、ちゃんと、話聞かなかったから。」
「……」
「でも、私、まだ気持ちの整理がつかなくて……」
「大丈夫だよ。」
「え……?」
「爽太くんは、きっと分かってるから。」
こんなに長く付き合ってるんだから。
「ありがとう、芽生。」
ふふふ。
いいなあ。
二人とも想いあってるっていうこの感じ。
私は、柊真と何も話せてないや。
りりは強いよ。
羨ましい。
「そう言えば、手嶋くんとは?」
「えっ、あぁ……」
「……やっぱり…………大雅くんのことが好きなんじゃないの…?」
「それは……わかんない。」
「そっか…。」
それからは、なんとなく二人は喋らずに、ひたすら夏休みの課題をやった。
「ふぁ~!よくやった!」
「そうだねぇ~、帰ろっか。」
「うんっ」