幼なじみが好きでしょうがない
りりと一緒に、教室を出て、校門へと向かってる途中。
体育館からボールをつく音が聞こえた。
「あっ、バスケ部、部活してる?」
「え、あ、うん……そうだね。」
りりの顔が曇った。
「ちょっと寄ろう?」
私は、りりの手を引いて、体育館の中へと入った。
「えっ、ちょ、芽生~!」
すると、中には爽太くんの姿があった。
もちろん、大雅の姿も。
バスケしてるとこ見るの久しぶりかも…………。
かっこいい。
柊真は…………?
いない。
どうして…………?
「莉々華っ」
そう叫んだ声が聞こえた。
そのほうを見ると、それは、爽太くんだった。
すると、りりは私の手を振りほどいて、逃げていった。
「りりっ……!?」
「莉々華っ」
と、爽太くんは、りりの手を取った。
「莉々華っ」
「ごめっ……爽くん…。」
りりは、爽太くんの手を振り払って逃げた。
「莉々華っ」
「爽太くんっ…りりね、まだ気持ちの整理がついてないって、だから、もう少し…待ってあげてっ……あの子、不器用だから…………」
「うん、ありがと、ごめんね、芽生ちゃん」
「じゃあ、私も帰るからっ」
「あれ、大雅に会わなくていいの?」
「えっ、あ、いやぁ、うんっ!じゃあ!」
「そっか、莉々華のこと、よろしくね、ほんとごめん。」
「大丈夫だよ!バスケ頑張ってっ…!」
そう言って、りりの所へと向かった。
たぶん、あそこにいるから。