幼なじみが好きでしょうがない
【芽生Side】
「りり~?」
りりは、絶対ここにいる。
と、土管を覗いてみると、ほら。
「いた。」
「芽生…」
と、泣きながら私の名前を呼んだ。
「自業自得だよね……私。」
「そんなことないから。大丈夫だよ。」
そんな風に、感情を相手に出せることが
私は、羨ましいよ。
「ほら、帰ろう?」
「うん………ぐすっ」
「にしても、この公園懐かしいね~」
「そうだね…」
りりは、何かあると必ずここに来る。
特に、爽太くんと何かあった時は。
だってここは、りりが、爽太くんから告白された場所だから。
思い出のある場所。
2年前。
りりが爽太くんのこと好きだって言ってたのは知ってたから、大雅と一緒にくっつけようって頑張ってて。
そしたら、両想いで。
びっくりしたよね。
両想いって、奇跡だよね。
その頃は、大雅はすっごく優しくて
付き合ってるんじゃないかって噂されてた。
もちろん、ただの幼なじみだったんだけど。
大雅が、3年になってから。
今まではこんなこと無かったのに
今まではマリアと普通に仲良くしてたのに
いじめが始まった。
「芽生?どうかした?」
「…う、ううんっ」
私は、りりの手をとり、繋いだ。
「芽生…?」
「爽太くんばっかに、隣のポジション奪われたくないからねっ」
「……芽生~…大好き!!」
「ふふふ」
そう言って、仲良く帰った。