幼なじみが好きでしょうがない
だって………………。
喧嘩してたって言ってもさ…
一緒に住んでたんだよ?
私は、その夜、夢を見た。
『芽生。俺、芽生が好き。』
目の前にいるのは、大雅。
私の目を見て、そう言ってる。
『でも、マリアを選んだんでしょっ……?』
『それは、理由があったんだ。』
『理由……?』
『実は……………………』
なにか話してる。
でも、なんて言ってるのかわからない。
聞こえない。
『ねえ、なんて言ってるの?』
「起きてって言ってるのよ?」
へ?
この声………………。
その瞬間。
私は、ガバッと起き上がった。
「おはよう。芽生。」
ベッドの横には、お母さんがいた。
なんだ、夢か。
はぁ……今日から新学期。
なんかな~………………。
気分上がらない。
なんとなく、隣の部屋にいつものように行くと、誰もいなく、ベッドと、机だけがあった。
そうだ。
帰ったんだった。
なんか、すごく寂しい。
あんなに、ひどいこと言われたのに
寂しいなんておかしいかな。
まだ、少し、荷物が残ってるみたい。
クローゼットの中には、私と同じ匂いのする、大雅の服。
なんか、キモいね、私。
それより…
「準備しなきゃ……」
朝ごはんを食べるため一階へと降りた。
そして、着替えて…歯磨きをして
家を出ようとした。
玄関には、大雅の靴はひとつもない。
寂しい。悲しい。
「いってきます。」
家を出ると、りりがいた。
「おはよう、芽生……ってどうしたの?顔、死んでるよ?」
そんなの言われなくてもわかってるよ……。
私は、昨日の夜のことや、大雅がいなくなったことを話した。
「そっ……か。…………じゃあやっぱり、芽生は大雅くんが好きなんだ?」
「そう……なんだ…と…思う……。」
私がそういうと、りりは明るく笑った。
「大丈夫だよっ。恋は迷う、迷路みたいなものなんだから。」
「りり…………。」
でも……柊真にちゃんと話さないとだよね。