幼なじみが好きでしょうがない
【大雅Side】
HRが終わった後、すぐにある奴に声をかけられた。
「ねえ、今岡くんっ?ちょっと話せる?」
「清水…………あぁ。」
そうして、屋上へと向かった。
「家、戻ったって本当?」
なんでお前がそれ知ってんだ?
「なんで知ってんだ?って顔してるね」
図星かよ。
「この間、石田くんと話してるの聞いた。」
「……」
「ごめん、大丈夫かなって気になったの。」
「……あぁ」
全然大丈夫じゃねえし。
最後の日の夜、なんであんなこと言ったんだろうって後悔した。
あいつは、手嶋柊真を選んだんだ。
「私は、もう、今岡くんのことは、諦めたから!」
え?
いや、別に期待してたわけじゃねえけど
「だから、二人のこと応援したいの…………二人とも不器用すぎるから…。」
そんなこと分かってる。
芽生は意地っ張りなとこあるし、素直じゃねえし。
俺だって、池田のこともあって、言いたいこと言えねえし。
-----キーンコーンカーンコーーン
「鳴っちゃったね。このままサボろっか。」
「あぁ…………」
そのまま俺らは、何をすることもなく、話すこともなく、1時限目の授業をサボった。
屋上に寝転がり、空を見上げた。
真っ青な、雲ひとつない、綺麗な空。
俺は、すぐに寝ていたようだ。
------キーンコーンカーンコーーン
1時限目の終わりのチャイムで目が覚めた。
「よし、戻ろっか……。」
そう言って、教室へと戻った。