幼なじみが好きでしょうがない
あなたが好き。
りりのお父さん、お母さん、お兄ちゃん、みんな喜んで迎えてくれて……傷心者の私にはすごく嬉しかった。
りりの家には何度も来たことがあるから、家族とはすっごい仲良くて。特に、りりのお兄ちゃん、本田恭介くん。りりに似てね、すっごいかっこいい。
いや、りりがお兄ちゃんに似てるのか。
とりあえず、この家族は温かい。賑やかだし。楽しい。
私は、一人っ子だから、お兄ちゃん欲しかったなあなんて思ったりもする。
だって、りりと恭介くんすっごい仲いいから。
「ちょい、恭ちゃん、取らないでよ!私の唐揚げ!」 「はぁ?お前、もうめっちゃ食べてんじゃねえかぁ!」なんて、言い合ってる。
私と、大雅もこんな感じだった。
『おい、このオムライスちょっとちっちゃくね?……お前、わざとちっちゃく作っただろ?』
大雅の家は、父子家庭で、お父さんがすごく忙しいから、うちでご飯を食べることなんてしょっちゅうだった。でも、うちも、共働きで、いない時があって、私が大雅にオムライスを作ってあげてた。
でも、その度にこうやって、ケチつけてくるの。
『おい、変えろよ、芽生のと!』
『はぁ!?やだし。』
ガチでそんな、ちっちゃく作るわけないし。
アホみたい。ほんとに。
でも、そんな、何気ない会話が幸せで、楽しかったの。
そんな大雅のことを私は好きになったの。
オムライスに関しては異常なくらい敏感な大雅。