幼なじみが好きでしょうがない
【爽太Side】
「5時限目サボることになっちゃうかも……」
俺がそういうと、芽生ちゃんは、なんで?と言わんばかりの顔でこちらを見てきた。
えっと、どこから話せばいいんだっけ。
あ。
「手嶋のことなんだけど……」
そう言うと、芽生ちゃんは俯いた。
話してたことはほんとだったのか。
「大雅に、なんか言われたでしょ?三週間前くらいに。」
「うん…………」
「実はさ…………」
俺は、あの日、部活の後に、手嶋と土屋が話していたことについて話した。
「それを聞いた大雅はさ、かなり怒ってた。…………でも、拳握りしめて、『俺が殴ったら、芽生は悲しむ』そう言ったんだ。」
その瞬間、芽生ちゃんからは、大粒の涙が流れ出した。
泣くよな。
こんな、一途なやつ。
見たことねえし。
「その後、大雅は、走って家に帰った。」
芽生ちゃんに伝えるために。