幼なじみが好きでしょうがない

謹慎明け。




爽太くんから、あの話を聞いてから、二週間が経った。

この2週間の間。

柊真は、学校に来ない。
大雅も、学校に来てない。



でも…………

今日は違った。


朝、爽太くんと一緒に登校する、大雅がいた。


学校……来てるっ…!



私は、それが嬉しくて、1日中頭の中はそれでいっぱいだった。


放課後。

りりが爽太くんと二人で帰ると言うので、私は、一人で帰ろうと思って下に降りた時、一階で、大雅の姿を見つけた。


まだ…帰ってなかったんだ……!

今なら、話せる…………!


「たい……「今岡くん」

私が近づこうとすると、誰かが、大雅の名前を呼んだ。

私は、咄嗟に隠れた。


名前を呼んだのは、清水先輩だった。



「ねぇ……どういうこと?」

「何がだよ。」

「池田って子と付き合ってるとかって。」

「別に。」

「前、話してくれたらよかったじゃん。」

「別に。」


大雅は、素っ気ない態度を取り続けていた。

「高木さんのことが好きだから……って……だから、私、諦めたんだよ……?なのにどうして?」

え……?
ねえちょっと待って?

大雅が、私を好き…………?



「俺は、芽生……あいつのこと好きなんかじゃない。」

ズキっと心に刺さった。


芽生……そう名前で呼んですらくれないんだね。

「俺は、もう、他に好きな人ができたんだ。」


え…………?

マリアってこと…?


そんなの嫌。


私は、その場で声を押し殺して泣いた。



大雅が、マリアを好き……………………。


嫌。




でも、私にはもう、希望もないんだよね。


ただの、赤の他人だもん。


< 180 / 200 >

この作品をシェア

pagetop