幼なじみが好きでしょうがない
謹慎明け。
爽太くんから、あの話を聞いてから、二週間が経った。
この2週間の間。
柊真は、学校に来ない。
大雅も、学校に来てない。
でも…………
今日は違った。
朝、爽太くんと一緒に登校する、大雅がいた。
学校……来てるっ…!
私は、それが嬉しくて、1日中頭の中はそれでいっぱいだった。
放課後。
りりが爽太くんと二人で帰ると言うので、私は、一人で帰ろうと思って下に降りた時、一階で、大雅の姿を見つけた。
まだ…帰ってなかったんだ……!
今なら、話せる…………!
「たい……「今岡くん」
私が近づこうとすると、誰かが、大雅の名前を呼んだ。
私は、咄嗟に隠れた。
名前を呼んだのは、清水先輩だった。
「ねぇ……どういうこと?」
「何がだよ。」
「池田って子と付き合ってるとかって。」
「別に。」
「前、話してくれたらよかったじゃん。」
「別に。」
大雅は、素っ気ない態度を取り続けていた。
「高木さんのことが好きだから……って……だから、私、諦めたんだよ……?なのにどうして?」
え……?
ねえちょっと待って?
大雅が、私を好き…………?
「俺は、芽生……あいつのこと好きなんかじゃない。」
ズキっと心に刺さった。
芽生……そう名前で呼んですらくれないんだね。
「俺は、もう、他に好きな人ができたんだ。」
え…………?
マリアってこと…?
そんなの嫌。
私は、その場で声を押し殺して泣いた。
大雅が、マリアを好き……………………。
嫌。
でも、私にはもう、希望もないんだよね。
ただの、赤の他人だもん。