【SS集】1分で読める超短編 ☆ホラーver☆
「残念ですが、辞めることになるでしょう」
しかし彼女の言葉は予想外のものだった。
仕事も、ダメなの……?
「じゃあ金運は…」
「貯金ができないでしょう」
「人間関係は」
「人脈が広がらないでしょう」
何?何なのこの占い!!ふざけてるの!?
「デタラメなこと言ってるんじゃないわよ!!」
古い木のテーブルに叩きつけた手のひらがじんじんと熱を持つ。
「あ…、」
そんな私とは対照的に冷静を保つ占い師がゆっくりと口を開いた。
「健康面は心配要らないでしょう」
そのやけに淡々とした言いぐさが、人を小馬鹿にしているように聞こえて、私はついにキレた。
「結婚もできない友達もいないおまけに無職でお金もない!!そんな人生で健康だけが取り柄だなんて冗談じゃないわ!!このインチキばばあ!!」
荒い息遣いもそのままに、私は勢いよく彼女に背を向けた。
「インチキなんかじゃないですよ」
そんな自信たっぷりに、まだいうの?!