隣の殺人鬼
「三上さんはこのアパートもう長いんですか?」
「そうだね、5年はもうここで暮らしてるかな。」
「5年か・・長いですね。」
「鳥越君はひょっとして初めての一人暮らし?」
「はい。そうなんです。
今まで実家暮らしでお金貯めて、仕事にも慣れてきたし、そろそろと思って。」
「仕事は何やってるの?」
「銅収堂で働いてます。ご存知ですか?」
「銅収堂!?すごいじゃん。
勿論知ってるよ。ていうかこの辺に住んでて銅収堂を知らない人はいないよ。」
「三上さんは何をされてる方なんですか?」
「俺はね、お恥ずかしながらフリーター。」
「え、そうなんですか。
家具とか高級そうなの使ってたので・・。」
「鳥越君、見る目あるね!
このベッドなんか高級ホテルで使われている物と同じなんだよ。
・・・・親が金持ちでね。
俺は自由にやらせて貰ってる感じ。」
・・・あ~なるほど。
親のスネかじってるパターンか。
身なりもきちんとしてるから、確かにそう言われればそういうオーラも出てる。
でも“お坊ちゃん”っていう感じも“上から目線”っていう感じもしないな。
すごく人当たりが良いように思える。