隣の殺人鬼




「どうしたんですか?」


「やられた!!

今、ニシダ製作所の担当者から電話があって・・

“構成部品についても明日詳しく聞く”
と言ってきた・・・・。」


「・・・・もしかして・・?」


「ああそうだ。
うちが1年前に実施した、
構成部品“α”から“β”への移行の事を突いてくると思う。」




営業部の人の話を聞き、青木さんの表情にも動揺が現れた気がした。


初めてだな、この人のこんな焦った感じ。



営業部の人は苦虫を噛み潰したような表情で続ける。


「向こうの担当者もかなりこちらに詫びてきた。

多分・・・西田社長が指示を出したと思う。

あの社長は突然の思いつきで取引先を困らせるって有名だからな。」



「あらゆるケースを想定していたけど、構成部品α、βは盲点でしたね。
・・・困ったなぁ・・・。」



「・・・やっぱり青木さんもさすがにそこまでは詳しくないよな・・。

あ~どうしよう、こんな時間だから社内にはほとんど誰も残ってないし。」




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