隣の殺人鬼



「あの、僕分かりますよ。」

俺の言葉を聞き、営業部の人と青木さんが同時に俺を見る。


「本当か!?」
「どういう事?」


「僕、営製管理部に異動になる前は、入社以来ずっと部品統括部にいましたから。

実は“α”から“β”への変更は当時の上司と僕が色々担当してたんですよ。

“β”を生産している石神工業にも、多い時は週4で通ってました。」




自分の席に戻り、電源を落としていたパソコンを再びつける。


時計に目をやると、もうすぐ22時になろうとしていた。


「大丈夫です。朝までには資料作れます。」


「よっし!!」

営業部の人の顔に生気が戻ってきた。



「鳥越君、本当に大丈夫なの?」

青木さんが心配そうに俺を見る。



「大丈夫です。任せてください。」


「あなた・・・本当に頼りになるわね。」


そう言うと青木さんが俺の肩を揉んでくれた。


< 127 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop