隣の殺人鬼
「あの、僕分かりますよ。」
俺の言葉を聞き、営業部の人と青木さんが同時に俺を見る。
「本当か!?」
「どういう事?」
「僕、営製管理部に異動になる前は、入社以来ずっと部品統括部にいましたから。
実は“α”から“β”への変更は当時の上司と僕が色々担当してたんですよ。
“β”を生産している石神工業にも、多い時は週4で通ってました。」
自分の席に戻り、電源を落としていたパソコンを再びつける。
時計に目をやると、もうすぐ22時になろうとしていた。
「大丈夫です。朝までには資料作れます。」
「よっし!!」
営業部の人の顔に生気が戻ってきた。
「鳥越君、本当に大丈夫なの?」
青木さんが心配そうに俺を見る。
「大丈夫です。任せてください。」
「あなた・・・本当に頼りになるわね。」
そう言うと青木さんが俺の肩を揉んでくれた。