隣の殺人鬼
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少しすると何人かの人達を従え、田村社長がやって来た。
前にニシダ製作所で見たときも思ったけど、あのスーツは一体、何十万するスーツなんだろう。
それほどまでに一目で分かる高級感が溢れていた。
「皆さん、楽にしてください。」
田村社長の一声で全員がまた座敷に腰を下ろす。
「この度はご苦労様でした。
皆さんの尽力の賜物です。
営業部長。」
「はい。」
さっきまで赤ちゃん言葉を喋っていた営業部長も酔いがちょっと醒めているようだった。
「今日この場に来られなかった人もいるでしょう。
ニシダ製作所の件で関わった全ての人達によろしくお伝えください。」
「はい。」
「さあ皆さん!
引き続きお楽しみになってください。」
田村社長と共に改めて乾杯をすると、ようやく場の空気も先程までのワイワイガヤガヤになった。