隣の殺人鬼
朝出社した時、既に青木さんは出張に出かけていて、机の上に青木さん直筆のメモが置いてあった。
メモには、俺にやっておいて欲しい仕事が分かりやすく、その上コンパクトに纏められていたけど、
それ以前に目を奪われたのは・・・
「青木主任、めちゃくちゃ字綺麗ですよね。」
「そう?小さい頃から習字を習ってたからかな。」
「内容より字の綺麗さにうっとりしてました。」
「フフッ、お世辞でもありがと。」
「いやいや、最初は“メールで連絡してくれれば良かったのに”って思ったけど、メモのおかげでめっちゃやる気出ました。」
「昔から手紙を書くのが好きなんだ。
メールは便利だけど、自分で文字を書くと、なんだか話す以上に相手に伝わる気がして。」
「もうバリバリ伝わりました。」