隣の殺人鬼





「とんでもない事になりましたよ青木主任。
田村社長に食事に誘われました。」


「そんなに緊張しなくても、いつも通りの鳥越君でいれば大丈夫だよ。」


青木さんはそんなに驚いていないな・・。


・・・あえてここは突っ込んだ質問をしてみようか。



「ひょっとして僕が食事に誘われる事、既にご存知でしたか?」


「何で私が知ってるのよ。」


「いえ、何となく。」




やっぱり、偶然とはいえ、
“青木さんの財布に入っていた田村社長の名刺を見た”
なんて言えない・・。




そうだ!

チャンスがあったら田村社長に青木さんとの関係を思いきって聞いてみるのもありだな。


・・・・ってもし本当に“愛人”だったらそんな事教えてくれるわけないか。



定時まであと少しの間に、残っていた仕事を片付ける。




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