隣の殺人鬼
話しながら社長の目にはうっすら涙が浮かんでいた。
この人は本当に奥さんのことを愛していたんだな・・。
「すまない、久しぶりに妻の話をしたから。」
「いえ、お構いなく。」
ここである疑念が生まれる。
これだけ家族を愛している田村社長が、
青木さんとは一体どういう関係なんだ・・?
今日は全然酔わないと思っていたけど、
気付いていないだけで俺は相当酔っていた。
つい興味のまま口を動かしてしまう。
「社長・・・1つ聞きたいんですけど。」
「何だね?」
「僕の営製管理部の先輩、青木アスカさんとはどういうご関係なんですか?」
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
「面白い。やっぱり君は面白い。」
田村社長は笑いながらコップに入っていた水割りを飲み干す。