隣の殺人鬼
「・・・ああ!ごめんなさい!
大丈夫ですか?」
廊下の所で202号室の人が立っていた。
202号室から階段へ向かう途中に、俺がドアを開けるタイミングが重なってぶつかってしまっていたようだ。
「・・・・・・・」
202号室の人は何の反応もしずに、足下に落ちていた本らしきものを拾う。
「すみません!」
恐らくぶつかった拍子に落としてしまったんだろう。
2冊落ちていたので1冊を俺が拾う。
・・・地図帳か?
車にはカーナビがつき、スマホには地図アプリがあるから最近すっかり見なくなっていた地図帳を202号室の人は持っていたようだった。
「・・・・・・」
「お怪我ありませんでしたか?」
「・・・・・・」
ある程度予想はしていたものの、何も答えず202号室の人は行ってしまった。