隣の殺人鬼
フロアに戻ってきた時には何人も残っていたけど、
時間が遅くになるにつれ一人、また一人帰宅していった。
気付けば俺と青木さんしか残っていない。
「なんだか元気ないじゃない?」
「そんなことないですよ。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「ねぇ鳥越君・・・。」
「はい。」
「・・この後、社長に会いに行くわ・・。」
ドキッとして隣を見る。
青木さんが独り言のように小さく漏らした。
「もう全部・・知ってるんじゃない?」
「・・・・はい。」
「私の事、軽蔑する?」
「いえ、そんなことは・・。
誰かに話すつもりもありません。」
「じゃあ、お先に失礼するね。」
青木さんはパソコンの電源を落とすと席を立ち上がる。