隣の殺人鬼
「たかが先代の運転手だった男なのにな。」
浅村さんが吐き捨てるように言葉を放った。
「そうだったんですか?」
「まぁ突然、先代があのジジイを重役に昇進させたことで、空いた運転手のポストに私がなれたのもあるが。」
「浅村さんはそれまではどこで?」
「現場の平社員だったよ。
当時は飲み会の度に上司を初め色々な人の“アッシー”をしていたら、
“車の運転がうまい”と上司が推薦してくれた。」
「なるほど・・。」
「第4秘書という肩書きだが、佐竹さん達、他の3人の秘書とは金も待遇も悪い、ただの運転手だよ。」
浅村さん・・・
意外と口悪い人だったんだな・・。