隣の殺人鬼
「あ、あんたが持ってたその写真が見えたんだ!」
「おっと。
ここからはまた俺から質問をする。
あと風間警部が持ってた封筒の中身は写真じゃない。ただの捜査資料だ。」
「・・・・・。」
「警察を舐めるなよ。お前がどれだけ否認しようがとっくに調べはついている。
遺体で見つかった彼女達は、住んでいた地域も年齢もバラバラで、
一見、何の繋がりも無いように見える。
だけど捜査を進めていくうちに共通点が見つかった。
彼女達は全員ご家族から捜索願いが出されていた行方不明者で、
消息を絶ったのは、彼女達がそれぞれ好きだったアーティストのライブ会場へ行ってからだ。
そしてお前のクレジットカードの履歴から、お前はその全てのライブに行っていたことが確認できた。
お前は“コンサート”という名目で全国を回って、ターゲットを物色していたんだろ?
集中した箇所で行方不明の事案が起きれば、警察もマスコミも事件性を疑い大騒ぎになる。
だが、全国各地でバラバラに発生すれば、誰も関連性や同一犯の犯行という考えを出さない。
ターゲットの基準は、
“1人でライブ会場に来ている子”、
いなくなった事がすぐに気付かれない、
“実家を離れて暮らしている子”
ってところか?
クレジットカードには睡眠薬の購入履歴もあったから、薬で眠らせてから別荘まで運び、犯行に及んだ・・・・
・・・・違うか?」