隣の殺人鬼
「あなたは、事故を起こしてすぐに救急車ではなく、
あなたのお父様・・先代の社長に連絡をした。
そして駆けつけた先代の社長と、当時の幹部によってあなたは守られた。
まだ救護すれば助かったかもしれないのに、
救急車を呼ぶどころか、
かろうじて息のあったお父さんとお母さんに無理矢理お酒を飲ませ、
私たちが乗っていた車を別の場所に移動させてから適当なガードレールに衝突させた。
【宮本夫妻が飲酒運転の末に起こした“単独事故”】として、事実を隠蔽する為に。」
「・・・・・・・」
「銅収堂の社長の息子。次期社長候補。
たった・・それだけの理由で・・・。」
「・・・・あ・・あの時は・・その・・。」
「大変でしたわ。
“父さん” “社長”と飛ぶ交う声。
本当の事故現場。
当時8歳だった私の、薄れゆく意識の中で見た光景を頼りに銅収堂へ・・
・・真相に辿り着くまで。」
「・・・・・・・。」