隣の殺人鬼







―――――― 


「皆様、長い間本当にお世話になりました。」


“パチパチパチパチ”


営製管理部全員が、花束を持った青木さんを見つめる。


青木さんが“会社を辞める”と言い出したのは、社長が亡くなって間もなくだった。


男性陣はみんな“青木ロス”に魂が抜けたように落ち込んだ。


“一身上の都合”という理由で詳しい話は聞かされていないけど、俺にはよく分かる。



青木さんがずっと待ち焦がれていた、

ずっと愛していた田村社長が死んでしまったんだ。


みんなに悟られないように振舞っていたけど、社長が亡くなってからの青木さんはとても悲しそうだった。



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