隣の殺人鬼
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「営製管理部!?鳥越が?」
「そうなんですよ。
だから皆さんと仕事できるのも3月までっす。」
「すごいじゃない鳥ちゃん!」
「ありがとうございます。」
仕事が終わり、職場の先輩、後輩と行きつけの居酒屋に来た。
ここでみんなと飲む事も無くなっちゃうんだな・・。寂しい・・。
「え、先輩。営製管理部ってどういう部署なんですか?」
後輩の加藤が質問してきた。
俺が答えようとすると先輩がそれより先に口を開く。
「加藤・・お前何も知らねーんだな!
いいか、営製管理部ってのは、その名の通り、
うちの“営業部門”と“製造部門”を管理するっていう・・
あれだよ、それぞれの橋渡し的な部署だよ。」
続けて女性の先輩(かなりの酒豪なんだなこの人は・・)も枝豆を口の中に放り込んだ後加藤の肩を叩く。
「うちの会社で最も重要な部署なんだよ!
営業はお客さん相手に仕事を取ってくればいい。
製造は言われた通りの数を生産すればいい。
だけどうちの生産キャパで作れる数の受注しか取っちゃダメだし、
受注を受けたからには絶対に納期に間に合うようにしなきゃいけない。
その調整をするのが営製管理部ってワケ。
分かった加藤ちゃん?
ついでにビール頼んでおいて。」
「なんか・・・すごい部署なんですね!
おめでとうございます鳥越先輩!」
「うん。ありがとう加藤ちゃん。」
本当に分かってるのかこいつ・・。
まぁ、ひょうきんだけど可愛がりのある加藤ともお別れか。
こいつがミスった時のカバーは大変だったからそれは少し気が楽になるけど・・。
「そういえば鳥越。
営製管理部には半端ないレベルの美人が1人いるらしいぞ。」
「え・・」
「本当ですか先輩!」
「・・・なんで加藤ちゃんが俺より先に反応するんだよ。」
「あ、私も聞いたことある!
銅収堂で一番の美人社員って噂らしいよ!」
「それなら僕にとっての一番は北条先輩ですよ!」
「もうなに加藤ちゃん!
あんたお世辞うまくなったわね!」
・・・加藤は人をおだてるのが本当にうまいな・・。
「じゃあ今日は鳥ちゃんの花形部署への異動を祝ってとことん飲むぞー!」
すっかり上機嫌になった女性の先輩(若い頃にはお店のジョッキが無くなったという伝説があるらしい・・)は、
さっき店員が持ってきたビールを既に飲み干そうとしていた。