隣の殺人鬼
“カン カン カン”
ちょうどその時、階段から人が降りてくる音が聞こえてきた。
あれ・・・三上さんこんな時間にどうし・・・・
「!?」
・・・三上さんじゃない・・。
視線の先には知らない男の人がいた。
“カン カン カン”
マスクをつけて帽子を被っているので顔までは良く分からないけど・・まさかあの人が・・。
“カン カン カン”
引っ越ししてから結局1度も遭遇することが無かったけど、きっと202号室の人だ。
202号室の人が階段を降りきったところで、声をかける。
「こんばんは。あの初めまして。
ご挨拶遅れましたが3週間前に201号室に引っ越してきた鳥越です。
よろしくお願いします。」
「・・・・・・・・・・」
・・・あれ?
「あ、ちょっと・・。」
202号室の人は、何も言葉を発さずに歩いていってしまった。
“挨拶も返してくれない無口な男の人なんだよ”
・・・三上さんの言う通りだったな。
トイレを我慢していたことを思い出し、慌てて階段を上った。
第3話 完