隣の殺人鬼



「・・・・・・・・・・くそっ!」


松岡主任が近くにあった椅子を蹴り、少し大きな物音が部屋に響く。



「・・・・あ、すまん鳥越君。
君の説明も助かったよ。」


「いえ、大丈夫です。」


「驚いただろう?青木が来た瞬間、あの場の空気が変わったから。」


「ええ、びっくりしました。
凄い人です青木主任は。」


「・・・これまでも、現場が何か喚きだしたら青木が鎮めてきた。」


「あんな綺麗な人にお願いされたら、鎮まりもしますよね。」


「違う!大野やうちの男連中みたいに、

ちょっと可愛いからって女にコロッとやられるほど現場の管理職の人達は単純じゃない。」


「す、すみません。」



松岡主任がここまで怒るのは珍しいな・・。


静まりかえった部屋には、現場の設備音だけが聞こえる。



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