隣の殺人鬼
俺と松岡主任も製造部の部屋を出るが、噂話は止まらない。
「青木は仕事もよく出来るし数多くの改善を提案し、コストダウンを図って会社に貢献してきた。
その点については俺も認めている。
だがそれだけで・・・あの若さで主任に上がったのは納得がいかない。
俺は血のにじむような努力をして、45歳になってようやくこのポストまで辿り着いたんだぞ。
田村社長は人事部長を経験されていた時代もある。
青木が新卒で営製管理部に配属されたのも、トントン拍子で出世したのも、
田村社長が裏で何かしたんだったら辻褄が合う。」
「しかし銅収堂は他社に比べて、年功序列では無く、実力主義であるのは間違いありません。
青木主任の他にも、あれぐらいの年齢での主任さんはいますし・・。」
「他のザコみたいな部署と一緒にするな!
俺達は、天下の営製管理部だぞ。」